トロントで賃貸暮らしですが、日本のバブル崩壊やアメリカのリーマンショックといった不動産価格が大きく下落した経験の少ないカナダ人は持ち家派が大多数です。不動産価格は上昇し続けると信じている人が多くて驚きます。そこで、不動産取得にはいくらかかるのか調べてみました。現在のトロント不動産市況ですが、戸建て(Detached home)の平均売買価格は$1.4M(約1.5億円)となっています。

不動産仲介費用は売り手持ちですが、代わりに不動産取得税がかかります。さらに頭金が20%以下の場合には住宅ローン保険への加入が義務付けられており、物件価格の2.8%になります。しかし、頭金3000万円を貯められる家庭がどれほどいるのでしょうか。親の援助などあれば別ですが、大多数の購入者は住宅ローン保険を利用していると予想します。費用を合計すると、物件価格の約6.5%になります。


その後の毎年の支払いはどうでしょうか?年0.75%の固定資産税と平均年0.75%の修繕費用がかかる前提で、毎年10万ドル。30年総額で320万ドルにもなります。さらに修繕に対して業者選定など時間を使う必要があります。物件価格が年率2%で値上がりすると仮定すれば、約100万ドルの値上がり益が期待できます。320万 – 100万 = 220万ドルは360カ月換算で月6000ドル。賃貸価格も値上がりするので、現在4500ドルの賃貸と140万ドルの物件購入が経済的には同等というイメージでしょうか?自分の時間を使う点や、変な隣人に当たっても引っ越せないリスク調整後は同等とは言えないと思いますが、そのあたりは価値観ですかね。