パターンの異なる社長交代に注目したい

上記の夢のような株価推移は、アシックスです。靴業界には巨人のNikeやAdidasがあり、新興のHokaやOnも伸びるなど、私にはなかなか5年後の未来を見通しづらい業界ですが、それでも社長交代をフォローすることの大切さを再認識させてくれる会社です。

三原さんは1929年生まれ。戦争を挟んで1959年に大学卒業。1960年に入社した生え抜きです。業績不振の責任を取って1996年に社長交代したそうです。高橋さんは1936年生まれ。1958年に大学卒業して入社した生え抜きです。和田さんは1942年生まれ。高校卒業して1961年に入社した生え抜き。そして尾山さんは1951年生まれで、創業者鬼塚さんの長女恵美子さんの旦那さん。

ここまではすべて鬼塚ファミリーと言ってよい面々ですが、尾山さんの業績不振で2018年に社長就任した廣田さんは三菱商事出身で元々アシックスとは何の関係もない方。ここからアシックスの快進撃が始まります。廣田さんは十分に稼いで来たでしょうし、アシックスを首になっても怖いものなし。まさにしがらみ無き改革を実行できる立場にあったのでしょう。こういう変化の香りの漂う社長交代には注意していきたいです。「社長交代のお知らせ」というリリースしか出ないので、一つ一つ丁寧に内容を見ていく努力が求められます。