4月に5泊6日で上海に行ってきました。最後に中国を訪問したのは運用会社に勤務していた2009年。その頃でも、行くたびに新しい環状線が出来るスピードに驚きました。それから15年。どれほどの変化があったのか自分の目で確かめるために行ってきました。
今回は、中国と言えばQR決済。滞在中の支払いはほぼ100%Alipay。Wechatpayは海外クレジットカードとの連携ができず、現在海外旅行者の利用できるスマホ決済はAlipay一択です。現地ではAlipayとWechatpayが2強。どこでも2つのマークやQRコードが出ていました。それ以外の決済手段は、現金もカードも利用している人をみかけません。念のために現金があった方がいいかなと日本によく旅行する友人に円と元の両替を依頼しましたが、普段元を使うことがないから手持ちがなく、なんと子供のお年玉を拝借してきて2万円と1000元を両替してくれました。
今回、現金で支払ったのは、オンラインで探したガイドへの支払い300元のみ。海外旅行者のAlipayは店舗支払限定で、個人間の振込が制限されているためです。カードで支払ったのは、ホテル代のみ。比較的高額なため、Alipayの限度額を超えてしまうことを懸念したためです。携帯電波とスマホがないと、買い物すらできません。中国全土でのスマホの普及率は一体どの程度なのでしょうか?子供のお小遣いやお買い物はどうするのか?何歳からスマホを与えているのか?インフラとしては非常に便利で、個人は盗難や紛失リスクがなく、店舗は盗難や現金取り扱いの手間がなく、政府は課税所得の把握がしやすいことが長所。停電になったら誰も買い物ができなくなるのかなとリスクシナリオを考えてしまいますが、平常時のメリットを優先しているように感じました。現金を扱わないから、店舗によってはレジがありませんでした。日本ではいまだに東芝テックなど老舗が高いレジシステムを販売し、クラウドレジが普及している段階。その先にはレジがない世界があるというのが新鮮でした。レジがない場合、客がQRコードをスキャンして金額を入力して決済すると、店舗にあるスピーカーから、「〇〇元のお支払い、ありがとうございます」とおそらく言っているであろう音声が流れて、正しい金額が支払われたことを店側確認して商品を手渡すという手順です。ちょっとした食べ物を売っている露店などでは、調理から手を放す必要がなく決済が完了するので、とても効率的です。いちいち現金を受け取ってお釣りを取ってから手袋して食材を触っている日本のやり方を見ていると、なぜ効率的な方向にいかないのかなと不思議です。現金インフラを維持することで成り立っている会社が多すぎる(レジ、銀行、現金輸送)ということなのかもしれませんが、中国の効率的なやり方が普及していくスピード感は半端ないです。そういう意味では世界一進んでいるかもしれません。私が他の国で見たことがなく、そしておそらく世界一低コストな決済文化が広がっていることは確かです。
どうやってこの2つの決済手段がインフラとなれたのか?2社寡占市場ですから、VisaとMasterCardのように超儲かっていると思います。このようなデファクトスタンダードの形成過程についてもっと学びたいです。