学校ストライキ

2019年8月からオンタリオ州と教師労働組合が労働契約に合意できないでいるそうです。これまで何度か1日ストライキが行われてきましたが、今週からはなんと週2日のストライキ。。。子供は喜んでいたりもしますが、共働き家庭の多いトロントですから、子供の世話にてんてこ舞いでしょう。しかも、トロントでは自立していない子供を自宅に留守番させることができません。明確な年齢規定はないようですが、12歳くらいまではダメでしょう。日本の感覚で留守番させていると、保護者の責任を果たしていないとみなされてしまうそうです。学校のありがたみを感じる2日間になりそうです。

日本では、教師のストライキによって学校が休校になるとは、考えにくいと思います。しかし、オンタリオ州知事が2018年に変わったことで、実生活に目に見える大きな変化が起きています。日本では、誰が区長、知事、首相になっても、教育現場に大きな変化が起きた記憶がありません。教育の継続性という意味では好ましいことですが、政治と実生活の関係性を感じにくい面もあります。財政縮減を公約に掲げる知事を選ぶとこうなるよ、ということで、実に分かりやすいです。そして、ストライキになることで実生活に影響があり、そうなってようやく有権者も政治に関心を持てるのだと感じました。

書評:The Three Rules (by Michael Raynor & Mumtaz Ahmed, 2013)

The Tree Rules: How Exceptional Companies Think

著者について

二人ともデロイトのコンサルティング部門の方です。

内容について

同じ事業領域にある企業を比べると、ずば抜けた企業、良い企業、普通の企業があることが分かる。長期的なROAやROEの推移、長期的な株主リターンを比べてみれば、その差は一目瞭然だ。もちろんずば抜けた企業を長期保有したいわけだが、どうすれば見分けることができるのか?持続的な競争優位性を発揮する企業には、3つの共通点があるというのが本書の主張。

1、Better before cheaper 価格を下げる前に、付加価値を上げることに集中しているか?

2、Revenue before cost 売上を上げることに集中しているか?ROAを上げるためには、売上を上げるか、費用を下げるか、資産を下げるか、の3つの選択肢しかない。ずば抜けた企業は多くの場合、売上を上げることによって、高いROAを維持している。さらに、売上を増やすためには、価格を上げるか、量を上げるかという選択肢になるが、多くの場合、価格を上げることによって増収を達成している。値上げできるということは、つまり#1の付加価値が高いと認められている証拠に他ならない。

3、There are no other rules 3つのルールと言っておきながら、最初の2つ以外にはありません!という話。

まとめ

長期的に繁栄する企業は、価格決定力があることが多いという話。価格決定力を付けるために、付加価値を高める不断の努力を行っているかどうか。そんなことは当たり前だけど、当たり前なことを当たり前に続けることが、どれほど難しいことか。。。

トロント生活:ハロウィーン

10月31日、ハロウィーンがありました。

ハロウィーンの起源は、古代ケルト人の祭りと考えられているようです。夏から冬への境目を、生の世界から死の世界への境目と捉えていたと聞くと、現代人には大げさに聞こえるかもしれませんが、一昔前は、厳しい冬を生き延びることができるか、死活問題だったのです。食料は足りるのか?燃料は足りるのか?冬を迎えるために、不安で仕方なかったと思います。緯度が高いカナダにいると、その実感を持てます。日本では秋の味覚を楽しむ10月ですが、こちらは日が短くなる一方。既に朝8時くらいまで暗いですし、気温も氷点下近くまで下がっています。まさに、10月は夏の終わり。冬の始まりです。(昨日、11月1日の朝には初雪がちらついていました)

ハローウィンの準備として、まずはかぼちゃ。先週末にくり抜きました。29日には小学校で夜に大掛かりなハローウィーンパーティー。31日も小学校に仮装して登校し、朝会兼パーティーがあったそうです。先生方も張り切って仮装してます。校長先生は、大きな孔雀の被り物をしていたそうで、リーダーが率先してやるという姿勢は素晴らしいなと思います。そんな姿勢を見ているからか、子供達も校長先生の名前をよく口にしています。私は日本で小学生をしていました。担任の先生の名前は覚えていますが、校長先生の名前は一人も覚えていませんし、特に印象もありません。

ハローウィン本番の31日夜はあいにくの雨模様。我々は5時半ごろから繰り出し、前の通りを往復して6時半には終了。かぼちゃが出ているか、ポーチのあかりがついていれば、ノックしてOKというルールだそうです。25軒ほど回って、50個くらいお菓子をゲットしていました。うちにも次々と子供がノックしてきてくれて、待つ側も楽しいもの。誰だろう?どんな仮装だろう?見知らぬ他人が家に来ることは普段ないわけですから、非日常を体験できます。そして、来るのは近所の子。現代のハロウィーンとは、地域親交のための行事なんだな、と感じました。

ケチャップ戦線

昨日のマヨネーズ価格比較に続き、今日は近隣店舗のケチャップ価格比較です。

ローソン売場の写真です。

裏面を見ると、、、

カゴメ純正商品の隣に、カゴメが作ったPB商品が並んでいました。

同じ会社(カゴメ)が、同じ工場(小坂井工場)で、同じ原材料で作っているとなると、私は,「同じじゃん!」と安いほうのPB商品を買ってしまいますが、多くの消費者はどういう行動をするのでしょうか?

カゴメブランド故の価格差は、いつまで維持できるのでしょうか?

街中には、考える材料が溢れています。

Happy Investing!!

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マヨネーズ戦線

店舗調査

昨日、コンビニおけるPB商品の増加について投稿しました。

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セブンイレブンを見た考察でしたが、他の店舗ではどうなっているのか、マヨネーズ探偵気分で調査してきました。

調査結果

東京の中野~高円寺駅周辺の価格で、他地域では、価格が異なっているかもしれません。

また、コストコは近くに店舗がないため、ネット検索結果になります。

最高値は、ファミマのキューピー350g入り、100gあたり81円。

最安値は、業務スーパーのPB商品、1kg入り、100gあたり28円と約3倍の価格差がありました。

同じキューピーブランドでも、ファミマの100gあたり81円からドンキの100gあたり40円まで2倍の価格差がありました。

考察

コンビニを比較すると、セブンのPB商品の安さが目につきます。

一方、ファミマはPBマヨネーズを展開していない。

系列スーパーのイトーヨーカドーと、同価格でPBマヨネーズを販売するセブンイレブンに、PB商品を強く推し進めようという意思を感じました。

「セブンでPBを買えば、スーパーと同等に安いですよ」、というメッセージは強力だなと思いました。

最大の興味は、ブランドがどこまで価格を維持できるか、という点です。

Happy Investing!!

 

 

PB商品に感じる、メーカーと小売店の力関係

コンビニ探索

私はコンビニ探索が大好きです。

コンビニという限られた空間に並んでいるのは、売上を最大化すべく選び抜かれた商品たち。

日本全国に約6万店あるコンビニに売場を確保することは、食品メーカーにとって大きなチャンスとなります。

↑ コンビニ店舗数推移(店)
(出典:http://www.garbagenews.net/archives/2392411.html)

マヨネーズ売場

例えば、セブンイレブンのマヨネーズ売場には、大小5つの商品が並んでいました。

・セブンイレブン PB商品 (大、小)
・キューピー (大、小)
・味の素 ピュアセレクト

裏を見て驚いたのは、セブンイレブンPB商品を、クノール(味の素)が作っていることです。

しかも、セブンPB商品の方が、価格が安い。。。

今はまだブランド価値で価格差を維持できているようですが、同じ会社が作っているという認識が広まれば、価格の安い方を買おうという流れが強くなると予想します。

ブランドだから信頼して買おう、という世界から、セブンイレブンにあるPB商品だから信頼して買おう、という世界にシフトしているように感じます。

付加価値が、ブランドからセブンイレブンに移転している可能性があり、食品メーカーにとっては厳しい状況かなと想像しました。

イノベーションの差

過去20年の食品メーカーとコンビニのイノベーションを比べると、競争優位性の移転も仕方ないのかなと思います。

私の知る限り、キューピーはひたすらマヨネーズを作ってきました。

国内では過半シェアを取ったあとのイノベーションは、スケールメリットを追求するために、買収 or 海外展開 するか、ブランドを他商品(ドレッシングとか)に展開するか。

しかし、海外展開に早期に取り組み結果を出したキッコーマンの醤油と違い、海外で日本のマヨネーズを見ることは少ないです。

一方のセブンイレブンは、店舗網の拡大+スーパー買収などで、年々販売能力を高めてきました。

その増大する販売力をもって、メーカー交渉で優位に立つことはもちろん、さらにPB商品に進出している訳です。

小さな個人商店しかなかった時代は、店に販売力・信用力がなく、商品ブランドが効果を発揮したと想像します。

しかし、店に販売力・信用力が付いてしまった状況になって、競争優位性の前提が崩れてしまったのかもしれません。

結局のところ、競争優位性を維持・拡大できない企業の収益性は長期的に低下していきます。

目の前にある事実の変遷を自分なりに理解し、将来の道筋を考えるのは、とても面白い。

私は投資が大好きです。

Happy Investing!!

日経新聞社長100人アンケートに見る市場心理

たった一つの情報に基づいて投資をするとしたら

OaktreeのHoward Marksさんについて、これまでも紹介してきました。

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Howard Marksさんは、もしたった一つの情報に基づいて投資するとしたら、「市場心理を知りたい」と述べています。

資産価格は、資産が生み出すキャッシュフローなどの本質価値と、市場心理によって決まります。

本質価値は短期的には大きく変動しないことが多いので、市場心理が弱気のときに投資できれば、市場心理の回復によって稼げる確率が高まります。

日経新聞に見る、市場心理

3月27日の日経新聞朝刊の一面に、以下の図表がのっていました。

半年後の世界景気見通しを社長100人にアンケート調査したそうです。

注目したいのは、2018年初頭に、半年後に景気悪化すると考えていた経営者がいなかったことです。

半年後のことは、誰にも分りません。

未来が不確実である以上、半年後の景気悪化確率がゼロと予想するいうのは、間違っている可能性が高そうです。

2018年初頭の市場心理は、完全に楽観に振り切っていたんだな、と再確認しました。

Howard Marksさんの言葉を借りれば、社長100人レポートで景気悪化予想がゼロになったときに売り、逆に景気拡大予想がゼロになったときに買うというのは、良い投資戦略になりそうです。

日経新聞に出る身近な調査でも、市場心理は測れるものだと思った次第です。

Happy Investing!!

年率1%の価値

ロボアドバイザー

ロボアドバイザーという言葉を見ることが多くなりました。

ソフトウェアが、資産配分を自動的に変更してくれるサービスだそうです。

この分野、ウェルスナビ(会社リンク)やTHEO(会社リンク)と言った会社があります。

ロボアドバイザーの手数料は、ウェルスナビとTHEOとも、3000万円以下は年率1%、3000万円以上は年率0.5%だそうです。

年率1%を積み重ねると?

世界の株式市場の長期リターンは年率7%でした。

バンガードの低コストETFを利用したとして、手数料年率0.1%を引いた年率6.9%が得られます。

ロボアドバイザーに頼むと、手数料1%を引いて、年率6%になります。

100円を30年投資すると、ETFは740円に、ロボアドは574円になります。

差額166円なので、100円の投資元本より大きいです。

年率0.9%が複利で積み重なると、信じられないような差になってしまいます。

まとめ

ロボアドには、未経験者に投資の敷居を低くして広めるという大切な役割があると思います。

しかし、投資に慣れてきたのであれば、コストを気にして自分でETFを購入しても良いのではないでしょうか?

Happy Investing!!

ビットコイン価格と株価の連動性

バブルを人生初体験

仮想通貨やビットコインの名前を聞くことも、めっきり少なくなりました。

日本不動産バブル、ITバブル、アメリカ不動産バブル、どれも生きてはいましたが、実体験した感覚はありません。

2017-2018年の仮想通貨バブルは、人生で初めて体験したバブルとなりました。

まず、ビットコインの価格チャートを見てみましょう。

2017年12月に最高値を記録しました。

Google Trendsでは、特定キーワードの検索実績を調べられます。

bitcoin、という検索キーワードについて調べてみました。

ビットコインの株価上昇とともに興味が広がり、乗り遅れまいと飛び込む新しい市場参加者がさらに価格を押し上げていく様子が想像できます。

価格が対象物の本質価値から乖離し続けていく様子に、これがバブルかと合点したものです。

株価との連動性

四季報を見ていて、ビットコインと似た株価チャートが多いことに驚きました。

例えば、ハブ(3030)をはじめ、2017年末~2018年初めに株価ピークを付けています。

欧風居酒屋(パブ)の経営ですから、仮想通貨と関係ないと思うのですが、株価は連動してしまうようです。

バブルが起きると、その高揚感から、他のアセットクラスにおいても価値と価格の乖離が起こりやすくなるのでしょうか?

広くバブルには注意が必要だなと感じました。

Happy Investing!!

イチロー選手語録

イチロー選手語録

先日の引退記者会見より、心に残ったコメントを抜粋しました(全文リンク)。

悩んだときに。

勇気をもらいたいときに。

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自分なりに頑張る

もちろん、もっとできたことはあると思いますけど、結果を残すために、自分なりに重ねてきたこと。人よりも頑張ったということはとても言えないですが、そんなことは全く無いですけども、自分なりに頑張ってきたということは、はっきり言えるので。これを重ねてきて、重ねることでしか、後悔を生まないということはできないのではないかなというふうに思います。

好きなことを見つける

野球だけでなくても良いんですよね、始めるものは。自分が熱中できるもの、夢中になれるものをみつけられれば、それに向かってエネルギーを注げるので。そういうものを早く見つけて欲しいなと思います。それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁に向かっていける。向かうことができると思います。それが見つからないと、壁が出てくると諦めてしまうということがあると思うので。色々なことにトライして、自分に向くか向かないかというよりも、自分が好きなものを見つけてほしいなと思います。

自分の中の秤

先程もお話しましたけれど、人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。あくまでも、秤(はかり)は自分のなかにある。それで自分なりに秤を使いながら、自分の限界を見ながら、ちょっと超えていくということを繰り返していく。そうすると、いつの日か「こんな自分になっているんだ」という状態になって。だから、少しずつの積み重ねが、それでしか自分を超えていけないというふうに思うんですよね。一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて、それが続けられないと僕は考えているので。地道に進むしかない。進むだけではないですね。後退もしながら、ある時は後退しかしない時期もあると思うので。でも、自分がやると決めたことを信じてやっていく。でもそれは正解とは限らないですよね。間違ったことを続けてしまっていることもあるんですけど。でもそうやって遠回りすることでしか、本当の自分に出会えないというか。そんな気がしているので。

イチロー選手、素晴らしいコメント、ありがとうございました。

Happy Investing!!