地方公務員の給与

トロントから北に3時間ほどいった Minden Hillsという人口約7000人の町で地元新聞を読んで驚きました。「町長が昇給を正当化」という記事によると、Chief Administrative Officer(行政運営のトップを担う専門職。日本で近いのは副町長)の年収が$187,046(約2100万円)だったというです。Director of public works(建設部長)は$147,555(約1700万円)、Supervisor of waste management(ゴミ処理部長)は$106,705(約1200万円)とのことです。

ちなみにカナダ、オンタリオ州の公務員で$100,000以上稼いでいる場合、Ontario Sunshinelistというサイトで過去の給与も含めて公開されます。

この給与水準、どう思いますか?Claudeに調べてもらったところ、日本の同規模自治体の給与は以下の通り。副町長クラスで年収800 ~ 1000万円。過去5年の円安効果もあり、カナダの約半額となっています。

戦わないと待遇は良くならない

トロントから3時間ほど北に行った、Algonquin Highlandsで湖畔の貸別荘を借りてのんびりしてきました。Haliburtonという町に出かけて地元紙(The Echo)に、地元の発達障害支援職員が11週間のストライキの末に処遇改善を勝ち取ったという記事があり驚きました。カナダでは頻繁にストライキがあります。つい先日も、大手航空会社のWest Jetの客室乗務員がストライキを行い、多くのフライトがキャンセルになりましたが、1日で終わりました。2025年のAir Canadaのストライキも4日間で終了。この経験から、ストライキは1-2週間で終わるものと思っていたので、11週間も続いたことに驚いたのです。

サービス停止して顧客も困りますが、ストライキ中は賃金も支払われません。経済的に困窮するメンバーも多く、ストレスから潰瘍、睡眠障害、鬱などの症状が出ていると記事にあります。それでも処遇改善を求めて、まさに身銭を切って戦う姿勢を日本で見たことはありません。「サービスが停止したらお客さんに迷惑がかかる」という声が聞こえてきそうですが、十分な給与が払われていない従業員やその家族には迷惑がかかっていないのでしょうか?

日本の物価上昇に賃上げが追いつかずに生活が苦しいというニュースはありますが、最低賃金引上げやベアを待つだけで、ストライキのように自分たちで勝ち取るという意識が低いと感じます。自分勝手な行動で他人に迷惑をかけているように見えて、ストライキが社会的に認められていないからでしょうか?しかし、実力行使に出ない従業員は、経営陣にとって怖くありません。こうした記事を見るに、なかなか日本の実質賃金は上がらないだろうなと思ってしまいます。