政策の副作用をイメージするのは難しい

バフェットとマンガーは、常に政策の2次、3次効果について考えるようにと言っています。政治家など短期目線(選挙)なので、1次効果ばかり宣伝する。しかし、複雑な現代社会や経済において、一つのことだけを行うことはできない。ある行動が別の結果を次々に引き起こしてしまうといういう訳です。身近な例で言えば、日本政府は物価高騰に苦しむ有権者を助けるという名目でガソリン代金に補助金を投入しています。1次効果として、ガソリン代は低く抑えられます。しかし、2次的効果として補助金支払いによって財政負担が増して金利上昇や円安につながったりして結局巡り巡って、ガソリン以外の物価上昇につながる可能性するあるわけです。

先日、トロントで日系ブラジル人の方に始めてお会いしました。ブラジルはアマゾン川上流のマナウスで生まれ育ったそうです。彼の話ではマナウスの治安が最近悪化しているそうですが、その理由に驚きました。第1次トランプ政権(2017年1月20日~2020年1月20日)で、メキシコからの不法移民や薬物流入を抑える目的で、アメリカとメキシコの国境沿いの壁を増強し、国境警備も強化しました。結果、1次効果としてメキシコからの人やモノの不正流入は減少したそうです。しかし、貧しい国から豊かな国を目指したいというのは高いところから低いところへ向かう水の流れと同じく、一か所をせき止めれば迂回路が生まれます。コロンビアからメキシコを経由して陸路で麻薬を密輸していた集団は、コロンビアからアマゾン川を下って大西洋経由でアメリカを目指すルートに変わっているそうです。中継地点であるマナウスに麻薬取引関係者が増えてしまい、治安が悪化したという流れです。そして自ら追いはぎに会う経験をした後、家族を連れてカナダ移住を決めたそうです。現実は複雑に絡み合い、思いもよらない結果を生み出していく。

都合のよい1次効果の話しかしない人の言う事は疑ってかかり、その副作用というか、2次・3次効果まで考えられるようになりたいです。